なかなか咳が治らないので診てもらうと「気管支拡張症」と診断されました。どのような病気でどのような治療をするのでしょうか。
気管支拡張症は肺炎や気管支炎による気管支組織の破壊や濃厚な痰の貯留によって気管支が圧迫拡張した状態です。
これらの原因で拡張した気管支は正常の気管支と異なり感染に対する防護力が低く、健常人に比べ気管支炎や肺炎になりやすいです。
又、気管支が壊れているため、肺に存在する血管から出血を起こしやすく血痰や最悪大量喀血となる場合もあります。
残念ながら拡張、破壊された気管支を元通りに戻す治療は現時点ではありません。
このため気管支拡張症の治療は咳や痰などの症状を伴った際に、鎮咳剤や去痰剤の投与、感染が増悪した場合の抗生剤投与、血痰や喀血した際の止血剤の投与です。
(大量に出血した際には死亡する場合もありますのでカテーテルでの緊急止血が必要です。
その場合は直ちに救急医療機関を受診して下さい)
それ以外の上記症状があれば呼吸器内科を受診し加療を開始して下さい。