高齢者の場合、肺炎で亡くなられる方もよく耳にします。肺炎予防のワクチンもありますが、一定の年齢になったら打つべきでしょうか。通常の風邪と肺炎はどのように見分けて受診すればいいでしょうか。
ご質問のワクチンは肺炎球菌ワクチンです。
欧米では65歳以上で接種することが多かったワクチンですが、わが国では普及が遅く接種率はまだ高いとはいえない状況です。肺炎球菌感染による肺炎は市中肺炎原因の1/3から1/2を占め、ワクチン接種により(予防力となる抗体価上昇には個人差がありますが)肺炎球菌肺炎をほとんど予防できると考えられています。このため、65歳以上になれば接種をおすすめします。ワクチンの効果は約5年とされていますので、接種から5年後に再接種するべきです。
また、インフルエンザから肺炎を合併する場合もあるのでご高齢者や持病のある方、幼少児はインフルエンザワクチンも接種すべきです。一般的に肺炎は風邪よりひどい発熱や咳や痰、悪化した時は呼吸困難を伴います。しかしご老人や若年者軽症肺炎の際は表に出る症状が軽いこともあり、症状の程度に関わらず気になる症状があるときは、すみやかに医療機関を受診し、レントゲン検査等を受けてください。